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コンセプト

学院長からのメッセージ

多文化共生について考える

  1. はじめに
  2. 外国人学生たちと中・高校生の交流
  3. 世代を超えた日本語教育
  4. 地域社会と日本語教育
  5. 国際交流から共生へ
  6. 学習者のお国を知ること
  7. 映画「ラストサムライ」と日本人
  8. 衣食足りて、礼節はどこへ??
  9. 日本語学校の将来は「中庸」にあり
  1. 「知日家」を育てる日本語教師(1)
  2. 「知日家」を育てる日本語教師(2)
  3. アロハな気持ち
  4. 団塊ジュニアと同世代の外国人
  5. 日本を元気にする外国からの文化(1)
  6. 日本を元気にする外国からの文化(2)
  7. 日本語学校の社会的存在意義とは
  8. 災害と日本語学校の学生

7. 映画「ラストサムライ」と日本人

海外で映画「ラストサムライ」が人気のようですが。

「武士に二言はない」とか「武士は食わねど高楊枝」などという諺がありますが、外国人にはわかりにくい日本人の精神論を表現しているので、教えるのは簡単ではありません。ところがこの「ラストサムライ」、観ているうちに武士の精神世界にいつの間にかトリップできてしまいます。しかもシカゴ出身のアメリカ人監督が撮ったハリウッド映画というから驚きです。

「武士」の精神世界がブームになっているのには理由がありそうですね。

現代社会を生きる日本人からは最も遠く、しかし誰が今、心のどこかで求めている「キーワード」が「武士」ではないかと私は思うのです。日本で起こっている目を覆いたくなるような事件の数々。それは日本人が自分の暮らす国を慈しむことをしなくなった頃から増えてきたのではないでしょうか。「武士」は日本という国を愛し、忠誠心を持ち、名誉に生きました。外国に目を向ける機会が多くなったのはとてもいいことですが、反面、愛せるものを見失い、自分が何者かわからなくなり、生きがいを探しているのが今の日本人ではないかと思うのです。

外国人の目にどう移っているのか気になりますね。

死を覚悟した「武士」の生き様は「生」をも大切にするということです。自分が必死に生きようとすれば、他人の生き方にも興味をもつはず。国際化が進み国境の壁が低くなると、民族間の交流が頻繁に行われるようになりますが、「共生」の知恵は他の命を思いやる心にあります。それぞれの民族の文化やアイデンティティを大切にすることが「多文化共生」の原則です。私たちが自ら日本を愛せる国にすること、それが実は多文化共生社会への第一歩なのです。

私たちの学校では多くの国際交流の機会を提供しています。日本語教師を目指す方たちにはぜひ外国人との交流を通して、教える「技術」ばかりではなく、日本人としての「生き方」についても考えてほしいと思います。