
海外で映画「ラストサムライ」が人気のようですが。
「武士に二言はない」とか「武士は食わねど高楊枝」などという諺がありますが、外国人にはわかりにくい日本人の精神論を表現しているので、教えるのは簡単ではありません。ところがこの「ラストサムライ」、観ているうちに武士の精神世界にいつの間にかトリップできてしまいます。しかもシカゴ出身のアメリカ人監督が撮ったハリウッド映画というから驚きです。
「武士」の精神世界がブームになっているのには理由がありそうですね。
現代社会を生きる日本人からは最も遠く、しかし誰が今、心のどこかで求めている「キーワード」が「武士」ではないかと私は思うのです。日本で起こっている目を覆いたくなるような事件の数々。それは日本人が自分の暮らす国を慈しむことをしなくなった頃から増えてきたのではないでしょうか。「武士」は日本という国を愛し、忠誠心を持ち、名誉に生きました。外国に目を向ける機会が多くなったのはとてもいいことですが、反面、愛せるものを見失い、自分が何者かわからなくなり、生きがいを探しているのが今の日本人ではないかと思うのです。
外国人の目にどう移っているのか気になりますね。
死を覚悟した「武士」の生き様は「生」をも大切にするということです。自分が必死に生きようとすれば、他人の生き方にも興味をもつはず。国際化が進み国境の壁が低くなると、民族間の交流が頻繁に行われるようになりますが、「共生」の知恵は他の命を思いやる心にあります。それぞれの民族の文化やアイデンティティを大切にすることが「多文化共生」の原則です。私たちが自ら日本を愛せる国にすること、それが実は多文化共生社会への第一歩なのです。