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コンセプト

学院長からのメッセージ

多文化共生について考える

  1. はじめに
  2. 外国人学生たちと中・高校生の交流
  3. 世代を超えた日本語教育
  4. 地域社会と日本語教育
  5. 国際交流から共生へ
  6. 学習者のお国を知ること
  7. 映画「ラストサムライ」と日本人
  8. 衣食足りて、礼節はどこへ??
  9. 日本語学校の将来は「中庸」にあり
  1. 「知日家」を育てる日本語教師(1)
  2. 「知日家」を育てる日本語教師(2)
  3. アロハな気持ち
  4. 団塊ジュニアと同世代の外国人
  5. 日本を元気にする外国からの文化(1)
  6. 日本を元気にする外国からの文化(2)
  7. 日本語学校の社会的存在意義とは
  8. 災害と日本語学校の学生

8. 衣食足りて、礼節はどこへ??

外国人にとって今の日本の魅力は何でしょうか?

日本は物質的にとても豊かな国です。店には十分すぎるほどの物が並び、好みのファッションを楽しむことができ、食べるものを選べます。暮らしやすく「魅力ある国」のひとつと言えるのではないでしょうか。なおかつ日本人は賢くて先進技術に長け、アニメやゲームなどの新しい文化を生み出す感性を持ち合わせていて、礼儀正しく、折り目正しい、そして我慢強く、信念を持ち、控えめでいて情熱的・・・・・・。

後半の日本人観にはちょっと赤面しますね。

「日本人」へ抱くイメージなのでしょうが、確かに今の我々の姿とは少し違う気がします。「衣食」が足りすぎた私たちは「礼節」を知ることを忘れ、ますます個人の利益を求める傾向になってはいないでしょうか。私たちの学校で主催する「ハワイ研修」では毎年日系二世の方々との交流を続けていますが、多くの方のアイデンティティは私たちがイメージだと思うその「日本人観」にあります。日本を愛し、日本人としての誇りを支えに波乱の歴史を生きてきた方が多いことに驚かされますが、今、毎日日本から届く数々の悲惨なニュースをとても複雑な気持ちでご覧になっていらっしゃるそうです。

彼らにとっては心の故郷みたいなものですね。

自分の故郷がない人は他人の故郷への思いを理解できません。自国を大切にすることができない民族は他国を思いやることができない。実はこれが多文化共生の考え方の原点です。日本を私たち自らがアイデンティティの持てる国にすること。そして訪れる外国人のアイデンティティを尊重すること。歩み寄るためにお互いの領域や文化を理解し合い、それを大切に思う心を安易に否定しないこと。それが近い将来多文化社会になる日本を左右する考え方になるのではないでしょうか。

日本語教師は国際交流の最前線に立つ仕事です。様々な国の学生に囲まれながら「日本」の明日を考えることもしばしばです。東京中央日本語学院ではこれから日本語教師を目指す人たちと一緒に、教える技術だけでなく「真の国際交流」のことを話し合いたいと思います。